市民ジャーナリズムの普及で起こるメディア革新--ダン・ギルモア氏

http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000050154,20087545,00.htm

インターネットが登場した時、情報が入手しやすくなったとされましたが、ブログの登場で今度は情報が発信しやすくなりました。多くの人にとって1990年代のインターネットは「Read Only」でしたが、ブログの登場で「Read and Write」に変化したのです。ブログを使えば、入力ボックスの中にテキストを入力し、クリックするだけで情報発信ができるのですから。

そこにノイズが存在するのは事実です。一個人が日常的な出来事を日記としてブログに書いても、多くの人にとってそれはあまり有益な情報ではありませんからね。ただ、先ほども言ったように、私はノイズが悪いことだとは全く思っていません。好きなことを好きなように伝えるというコミュニケーションは重要ですから。

http://www.dmtj.net/pm/archives/2005/10/post_66.php
私はプロバイダで、ユーザーの記載した内容と、それにより被害を受けたとされる方からの削除要請、発信者情報開示請求の是非を最終判断する立場にあります。そのような立場に身を置いている者としても、氏の言うジャーナリズムとしてのそれと、「ノイズ」が共に有用であることを信じて疑いません。ただ、それと同時に木村氏の言う「危険」についてもひしひしと感じています。これは主にプロバイダ責任制限法に規定されている削除と発信者情報開示の取り扱い(正確には免責規定であるが)の難しさ、危うさからくるものです。

今、日本の「表現の自由」が辛うじて体現できているとしたら、それはひとえに通信事業者のがんばりによるものです。開示請求訴訟の弁護士費用だけで考えても、大手数社を合算すると既に相当な額になってますし、2chを標的にした判例の積み重ねは、それが2ch特有の、射程距離の狭いものであるとしても、確実にプロバイダへ萎縮効果を与えています。