全米国民対象の電子IDカードは必要か--「Real ID Act」下院通過で高まる議論(匿名の価値を検証する3)

http://www.japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20080807,00.htm

911テロ事件後、匿名性が諸悪の根源とする風潮は日増しに強くなってきているように思います。治安の悪化を殊更強調することによって人々の不安を必要以上に煽り、徹底的な匿名性の排除がこれに有効であると説く。。これは何も遠くアメリカで起こっている対岸の火事の事象ではありません。「パスポート指紋押印問題」で話題になったように、日本にもその余波は確実に押し寄せているのです。

こういった「右傾化」の流れに対して、世の中は無防備です。歴史を学んでいる人であれば、その「侵食」が何をもたらすか、なんとなく理解できると思います。しかし、その漠然とした見えない「大事な何か」について、言葉で説くのはとても難しい。

誰もが「治安の為ならプライバシーや表現の自由がある程度制約されても仕方ない」と直感的には思ってしまう。それは自分や自分の大切な人が身体的な被害を被る姿は容易に頭に浮かべることができるのに対して、「プライバシーの侵害」「表現の自由の制約」については、そうなった時の姿を具体的に頭に描けないことが理由でしょう。

その状態を覆す能力と勇気を、残念ながら、僕は現在は持ち合わせていません。しかし、このブログというツールを使って、自分の考えを整理していこうと思ってます。この話題について、興味ある方は是非コメントをつけていただければと思います。
参考図書 茶色の朝